歩くのも立ち上がるのもつらい…それは、“鵞足炎”かもしれません

 

「イスから立ち上がろうとしたときに、膝の内側がズキっとした」

「階段を上るとき、足が重くてつい手すりに頼ってしまう」

「歩き出す瞬間が不安で、ついゆっくり動くようになった」

このようなことでお困りではありませんか?

買い物に行ったり、洗濯物を干したり、ちょっとした用事で外に出たり…。

普段の生活の中で、「立ち上がる」「歩く」という動作は欠かせないのもです。

けれども、「膝が痛い」というだけで、毎日の行動が億劫に感じたり、ちょっとした移動すら苦痛になってしまったりすることもありますよね。

「膝の痛み」とよく言われるけれど、私の場合は”膝の内側の下”が痛む…。

もしかしたら、これって普通の膝の痛みとは違うのかも?

そんなふうに感じている方は、”鵞足炎(がそくえん)”が関係しているかもしれません。

そこで今回は、「歩くのも立ち上がるのもつらい」と感じている方へ、鵞足炎の症状や原因、日常でできるケアについて、分かりやすくご紹介していきます。

最後まで読んでいただけると幸いです。

 

 

鵞足炎でよくある症状とは?

鵞足炎とは、膝の内側にある「鵞足(がそく)」と呼ばれる部分に炎症が起こる状態をいいます。

この部分には、太もも裏からスネにかけて3本の筋肉が集まり、まるで”ガチョウ(鵞鳥)の足”のように広がっていることから「鵞足」と名づけられました。

この鵞足部分に炎症が起こると、次のような症状が見られることがあります。

・膝の内側の下がジンジンと痛む

・長く座った後に立ち上がると、膝が重く感じ、痛む

・歩き始めや階段の上り下りがつらい

・とくに朝の動き出しが固まったように感じる

また、痛みが強いと、膝だけでなく太もも裏や膝裏、ふくらはぎまで違和感や筋っ張りを感じることもあります。

 

 

鵞足炎の原因とは?見落としがちなポイントも解説します

 

鵞足炎というと、「歩きすぎた」「運動のしすぎ」といった”使いすぎ”が原因だと思われがちですが、実はそれだけが原因ではありません。

たしかに、長時間の歩行や階段の上り下り、立ち仕事などで膝に負担がかかり続けると、鵞足部に炎症が起こりやすくなります。

しかし、実際にはもっと日常的な”体の使い方”が深く関係しています。

 

1)姿勢のクセや筋肉のアンバランスによるもの

猫背や反り腰、左右どちらかに体重をかけるクセがあると、太ももや膝まわりの筋肉に偏った負担がかかります。

その結果、鵞足部周辺の筋肉が引っ張られたりねじれたりして、炎症が起こりやすくなります。

2)股関節や骨盤の動きの悪さによるもの

膝が痛くなれば、膝の状態が悪いと思いがちですが、股関節や骨盤の動きが悪いと、その分の負担が膝に集中してしまいます。

とくに歩くときに足がスムーズに出ない、太もも裏やお尻が硬いと感じる方は、膝への影響が出やすくなります。

3)靴のサイズが合っていない、または正しく履けていないケース

膝のことを考えるのであれば、足元の環境を整えることも大切です。

サイズの合わない靴を履いたり、かかとの位置を合わせずに紐を絞めていると、歩くたびに膝にかかる衝撃が強くなり、鵞足炎を引き起こすことがあります。

 

 

痛みをやわらげるために、今日からできる対処法

 

動きたびに膝に痛みがあると、「できるだけ安静にしていた方がいいのかな?」と思ってしまいがちですが、最近では、じっとしすぎても回復が遅れてしまうという報告があります。

ここでは、自宅や職場でできる簡単な対処法をいくつかご紹介します。

1)冷やすのがいいのか?と温めるのがいいのか?の判断は?

・痛みがズキズキ強く出て、その部分が腫れぼったくなっているときは、アイスバッグに氷と少しのお水を入れて患部に当てて冷やします。(1回に15〜20分程度です)

2)膝の向きを意識する

立っているときや座っているときに、膝のお皿が外を向いていたり、内に向いていたりします。

気づいたときには、膝のお皿が正面に向くように意識してみましょう。

3)太もも裏のストレッチを取り入れる

〜左側の太もも裏をストレッチする場合〜

①立ち姿勢になる。

②右足を左足の前にクロスさせる。

③両足をクロスさせたまま、ゆっくりと上半身を前にかがませ、太もも裏をストレッチする。

◾️ポイント:できるだけ背中を丸めないようにしてストレッチしましょう。

1回につき15秒ストレッチします。

5回繰り返して行いましょう。

※※床に手がつかない場合は、無理せず自分の太ももや足首らへんを掴んで、体を支えましょう。起き上がる時も慎重に行なってください。

まとめ

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

今回は、鵞足炎の原因や対処法について書かせていただきました。

「膝の向きを意識すること」と「太もも裏のストレッチ」を参考に、職場やご自宅でご活用ください。

続けていても一向にお困りごとが改善されない場合は、他に原因があるかもしれません。

その際は、お早めに近隣の専門機関にご相談されることをおすすめします。

もし、大阪市東成区周辺でお困りの方がいらっしゃいましたら、当院でご相談いただけたら幸いです。

 

 

監修 鍼灸師 柔道整復師   原田 直樹

 

 

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