「毎日の洗濯物干しが、こんなにつらいなんて…」
「干したバスタオルを大きいハンガーにかけようとしたら、肘がズキっと痛んだ」
「洗濯バサミをつける動作が、最近つらくなってきた」
このようなことでお困りではありませんか?
洗濯は、日々の暮らしの中で欠かせない家事のひとつです。
天気のいい日こそ気持ちよく干したいものですが、肘の痛みがあると、ほんの些細な動作も苦痛に感じてしまうものです。
大きなバスタオルや毛布、スウェット、絡み合ったタオル類などひとつひとつ洗濯機から取り出すのもひと苦労ですよね。
「いつからか、洗濯物を干すのがしんどくなってきた」
と思うようになったら、
それは、もしかしたら「テニス肘」が関係しているかもしれません。
「テニスなんてしたことがないのに?」と思うかもしれませんが、
実はテニス肘は、スポーツをしていない人にもよく起こる症状なのです。
そこで今回のブログでは、テニス肘について、原因や対処法、日常でできるケアについて詳しくご紹介します。
最後まで読んでいただけると幸いです。
目次
テニスなんてしていないのに”テニス肘”?こんな症状があります
テニス肘の正式名称は「上腕骨外側上顆炎」(じょうわんこつがいそくじょうかえん)といって、肘の外側がズキズキと痛むのが特徴です。
・洗濯機から洗濯物を引き上げるのがつらい
・洗濯物を干すとき、腕を上げるのがつらい
・洗濯バサミで何回もつまむたびに、肘が痛む
・タオルを絞るときに、肘に違和感がある
このような動作で痛みが出る場合、テニス肘の可能性があります。
症状が進むと、何もしていなくても肘の外側にジンジンとした痛みが出ることもあります。
さらに、痛みをかばって無理な姿勢を続けていると、手首や肩、首にまで負担が広がってしまうこともあるので、早めの対処が大切です。
その痛み、「姿勢の偏り」が関係しているかもしれません
「テニス肘」と聞くと、スポーツによるケガのようなイメージを持たれる方も多いかもしれませんか、実際には日常生活の中でも起こりやすい症状です。
とくに、手や腕をよく使う方に多く見られます。
たとえば、洗濯物を干す・絞る・持ち上げるといった動作は、うで(前腕)の筋肉に意外と大きな負担をかけています。
このような何気ない家事の動作でも、繰り返されることで筋肉や腱に疲労が蓄積し、やがて痛みとして現れることがあります。
とはいえ、同じような動作をしていても、肘に痛みが出る方と出ない方がいらっしゃいます。
その違いは何なのでしょうか?
実は、「姿勢の偏り」が大きく関係しています。
ここでいう姿勢の偏りとは、背中が丸くなることを指します。
たとえば、背中を丸めたまま腕を天井に向かって上げるのと、上半身を起こして背筋を伸ばした状態で腕を上げるのでは、どちらが楽でしょうか?
多くの方は、背筋を伸ばして腕を上げたほうが、動きやすく負担も少ないと感じるはずです。
実際、背中が伸びている状態の方が、腕を動かす際の筋肉への負担が少なくなります。
ですので、肘や腕に痛みを感じるときは、肘そのものだけでなく、「背中の姿勢」にも目を向けることがとても大切です。
痛みをやわらげる、今日からできるセルフケア
では、この肘の痛みをやわらげるために、これから、ご自宅や職場でもできる簡単なセルフケアをご紹介します。
1)小指から軽く手を握って、洗濯物を取り出したり、干したりする
小指側から順に手を軽く握るように意識することで、手首の動きが安定し、肘や腕への負担が軽くなります。
現代の生活では、親指や人差し指を使う機会が多く、どうしても”親指優位”の使い方になりがちです。
この状態が続くと、手首の安定性が失われやすくなり、結果として肘や腕を痛めやすくなる傾向があります。
だからこそ、日常の中で「小指側から手を使う意識」を取り入れることが、痛みの予防につながっていきます。
2)背筋を伸ばす体操
この体操を行うことで、背筋しっかりと伸び、腕が動かしやすくなります。
背中が安定することで腕の動きに無理がかからず、結果的に肘への負担が軽減され、痛みも出にくくなります。
①手のひらを天井に向けて、ひじを90°に曲げる。
②手のひらを天井に向けたまま、脇をしめながら手を外側に開かせる。(息を吐く時)
(ポイント)手を外側に開かせる際に、肩を上に上げないようにする。
①②を繰り返し、これを5回行う。
息を吐きながら10秒かけてストレッチしてみましょう。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回は、洗濯物を干すのがつらい…もしかして“テニス肘”?その痛み、実は身近な原因が関係しているかもしれませんについて書かせていただきました。
「小指から軽く手を握って、洗濯物を取り出したり、干したりする」と「背筋を伸ばす体操」を参考に、ご自宅や職場でご活用ください。
続けていても一向にお困りごとが改善されない場合は、他に原因があるかもしれません。
その際は、お早めに近隣の専門機関にご相談されることをおすすめします。
もし、大阪市東成区周辺でお困りの方がいらっしゃいましたら、当院でご相談いただけたら幸いです。
監修 鍼灸師 柔道整復師 原田 直樹