その膝の痛み、もしかして膝上の炎症かも?原因と対策について

 

「イスから立ち上がるとき、立ち上がりにくさを感じる」

「階段の上り下りで、膝の周りに痛みを感じる」

「太ももが張って、足がだるく感じる」

このようなことでお困りではありませんか?

テーブル作業に没頭していて、ふと立ち上がると

膝の周りに違和感を感じる。

「ん?どこかで膝打ったかな?」

と思って記憶を辿ってみても、そんな覚えはなく…。

 

 

家の掃除中、掃除機を持ちながら階段を上り下りしていると

膝の内側にチクっとした痛みを感じる。

でも、気がつくとその痛みは消えているので、特に気にせずそのまま放置。

そんなふうに、最近は膝の痛みが出たり消えたりを繰り返すようになり、

「これ以上、ひどくなったらどうしよう…」

「この痛み、いつになったら治るんだろう?」

と、不安を感じるようになり、当院へご来院されました。

 

実際、「そのうち良くなるだろう」と思っていても、症状が長引くと気持ちも沈みがちになりますよね。

問診のあとに膝を診させていただいたところ、膝の痛みに加えて、お皿の動きがやや悪くなっている様子が見られました。

そこで今回のブログでは、「その膝の痛み、もしかして膝上の炎症かも?原因と対策について」詳しく解説します。

最後まで読んでいただけると幸いです。

 

 

大腿四頭筋腱付着部炎(だいたいしとうきんけんふちゃくぶえん)とは

まず膝の動きには、主に「曲げる」と「伸ばす」の2つがあります。

このうち「伸ばす」動作には、太ももの前面にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が大きく関与しています。

大腿四頭筋は、膝のお皿にあたる膝蓋骨(しつがいこつ)を経由して、下腿(スネの骨)に付着しています。そのため、膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで、大腿四頭筋と膝蓋骨のつなぎ目に負担がかかることがあります。

この部分に過度な負担がかかると、炎症が起きて痛みや腫れを引き起こすことがあり、これを「大腿四頭筋腱付着部炎」と呼びます。

大腿四頭筋腱付着部炎が起きやすい原因とは

大腿四頭筋腱付着部炎は、一般的にはスポーツをしている方に多く見られる症状と思われがちですが、実は座り仕事や日常生活を送る方にも少なくありません。

では、一見、膝に過度な負担がかかりにくそうな座り仕事で、なぜこのようなトラブルが起こるのでしょうか?

その背景には、以下のような原因が考えられます。

膝と足先の向きがズレているニーイントゥーアウト

「ニーイントゥーアウト」とは、立った姿勢で膝と足先の向きに注目した際、膝が内側に入り、足先が外側を向いている状態を指します。

このような姿勢が続くと、膝や股関節に負担がかかりやすくなります。

特に、膝のお皿(膝蓋骨)に外側への力が過剰に加わることで、お皿の動きが乱れ、大腿四頭筋にも余分な負担がかかります。

その状態のまま日常生活を送ることで、膝へのストレスが蓄積され、痛みが生じやすくなります。

 

 

 

・膝が伸び切らない姿勢が多い

では、「膝が伸び切らない姿勢」とは、どのような状態でしょうか?

立ったままの姿勢では分かりにくいのですが、これは仰向けに寝た姿勢で確認するとよく分かります。

仰向けに寝て、膝の裏と床がぴったり接していれば問題ありません。

しかし、膝の下に隙間ができて手がスッと滑り込むようであれば、それは膝を完全に伸ばせていないサインです。

このような状態が続くと、

本来は休まるはずの大腿四頭筋が常に緊張状態となり、筋肉疲労を引き起こすことがあります。

さらに、大腿四頭筋と膝のお皿(膝蓋骨)をつなぐ付着部にも過剰な負担がかかります。

その結果、日常生活の中で膝の曲げ伸ばしや、イスから立ち上がる際に痛みを感じるようになることがあります。

*膝の下(黄色の部分に手がスッと滑り込む)

 

その対処法とは

今回は2つの項目に絞ってお伝えさせていただきます。

1つ目は、「膝と足先の向きを合わせる」

2つ目は、「膝のお皿を動かす」です。

1)「膝と足先の向きを合わせる」

膝と足先の向きをそろえることで、足裏に負担の少ない姿勢をつくりましょう。

〜右足を調節する場合〜

①右足をまっすぐ前に出して、足裏を床につけたままにする。

②そのまま膝を、足先の方向に向けて前に出す。

ポイントは、足指の人差し指と中指の間に向けて膝を誘導する。

③膝を元の位置に戻して、また足先に向けて膝を前に出す。

膝の誘導を5回行いましょう。

※鏡で膝の動きを見ながら行うと、より効果的です。

2)「膝伸ばしを行う」

膝をしっかり伸ばす感覚を取り戻すためには、意識的に膝を伸ばす動作を繰り返すことが大切です。

この「膝伸ばし動作」を行うことで、本来の可動域や正しい膝の動きが少しずつ回復していきます。

①仰向けに寝て、膝を立てて直角に曲げます。

②踵(かかと)を床につけたまま滑らせるように、5秒かけてゆっくりと膝を伸ばしていきます。

③最後に足を立てて、足が下方(足裏の方向)に引っ張られるようなイメージを持ちながら、踵を軽く引き伸ばすように意識してみましょう。

左右交互に3回ずつを目安に行ってください。

まとめ

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

今回は、その膝の痛み、もしかして大腿四頭筋腱付着部炎?原因と対策について書かせていただきました。

「膝と足先の向きを合わせる」と「膝伸ばし」を参考に、職場やご自宅でご活用ください。

続けていても一向にお困りごとが改善されない場合は、他に原因があるかもしれません。

その際は、お早めに近隣の専門機関にご相談されることをおすすめします。

もし、大阪市東成区周辺でお困りの方がいらっしゃいましたら、当院でご相談いただけたら幸いです。

 

 

監修 鍼灸師 柔道整復師   原田 直樹

 

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