「朝、指を曲げるのがつらい」
「朝、歯磨きする時に歯ブラシを持つのが苦痛」
「パジャマのボタンを外しにくい」
このようなことでお困りではありませんか?
先日、飲食店を営んでいる患者さんから、「朝起きたときに指が曲がりにくくて困っている」とのお話を伺いました。
特に歯ブラシを持つことやパジャマのボタンを外すこともひと苦労だそうです。
飲食店の仕事は、料理の仕込みからお店の準備まで多岐に渡ります。
営業中も、包丁やフライパンを扱うなど、手を握る動作が多いため、指に負担がかかります。
手作業がつらいと感じていても、ボリューム満点の料理を作り続けられるのは、お客さんの笑顔が見たいから。
痛みを抱えたまま営業を続けるのは、本当に大変だと思います。
このような症状は、腱鞘炎から始まり次第にばね指に移行することが多いです。
最初は指先に突っ張る感じがある程度ですが、次第に指が曲げにくくなっていきます。
また、指が曲がったままの状態から伸ばそうとすると、「カクン」と響くこともあります。
「そのうち良くなるだろう」と思っていても、なかなか改善せず、不安に感じることもありますよね。
このブログでは、朝起きたら指が曲がりにくい場合の原因とその対処法についてブログを書かせていただきました。
最後まで読んでいただけると幸いです。
目次
腱鞘炎やばね指とは
指は、指の骨に付着している屈筋腱(くっきんけん)というロープのような組織が、筋肉によって引っ張られることで曲げることができます。
指をよく使う方は、腱や腱鞘の摩擦によって腫れることで腱鞘炎を発症し、やがてロープのような腱の動きがスムーズにできなくなり、ばね指になることがあります。症状が悪化すると、指が曲がったまま伸びにくくなり、伸ばそうとすると勢いよく伸びて痛みを伴います。
朝起きたら指が曲がりにくい原因は
・指の使いすぎ
手をよく使う仕事では、指先を曲げる動作が多く、指を曲げる筋肉や腱に大きな負担がかかります。
また、飲食店の場合、食材の管理や水仕事によって手が冷たくなり、その影響でさらに指に負担がかかりやすくなります。
・むくみ
飲食店の調理場で働いていると、調理台の高さの影響で体が前かがみになりやすくなります。その状態のまま仕事を続けると、頭が下がり、肩が内側に入りやすくなります。すると、首から肩、手へ向かう神経や血管、リンパの流れが悪くなり、手がむくみやすくなります。
その対処法とは
今回は2つの項目に絞ってお伝えさせていただきます。
1つ目は、「指を伸ばすストレッチ」
2つ目は、「胸を開くストレッチ」です。
1)「指を伸ばす」
指をよく使う方は、屈筋腱やそれにつながっている筋肉が硬くなっていることが多いです。
まずは、指の細かい筋肉や腱を動かしやすくするためにストレッチを行っていきます。
①指を一本一本ゆっくりストレッチします。
例えば、左手の指をストレッチする場合は、右手で左指を支えてストレッチします。
②指の間を広げるようにストレッチしましょう。
例えば、左手の指をストレッチする場合は、右手で左指を左右に広げるようにサポートします。
③指の付け根から根こそぎ手のひらをストレッチしましょう。
例えば、左手の指をストレッチする場合は、右指数本で左指を付け根から引っ掛けて手のひらを広げるようにサポートします。
1回に15秒間、ストレッチします。これを3回行いましょう。
※無理をせず、気持ちいい範囲で行いましょう。
2)「胸を開くストレッチ」
前かがみで調理していると、自然と背中が丸くなり、巻き肩の状態になりやすくなります。
このままの姿勢で寝てしまうと、手がむくみやすくなります。
気づいたときに姿勢をリセットするために、このストレッチを行いましょう。
特に、就寝前にこのストレッチを行うことをおすすめします。
手のひらを天井に向けたまま、両うでを後ろに引き寄せて胸を開きます。
※背もたれのあるイスで行う場合は、しっかり背もたれに背中を当てて、両腕を後ろに引き寄せましょう。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回は、朝起きたら指が曲がりにくい場合の原因と対処法についてについて書かせていただきました。
「指を伸ばす」と「胸を開くストレッチ」を参考に、職場やご自宅でご活用ください。
続けていても一向にお困りごとが改善されない場合は、他に原因があるかもしれません。
その際は、お早めに近隣の専門機関にご相談されることをおすすめします。
もし、大阪市東成区周辺でお困りの方がいらっしゃいましたら、当院でご相談いただけたら幸いです。
監修 鍼灸師 柔道整復師 原田 直樹